長期連載『BLUE or WHITE?』の第22話です。
8章「key」 4話目となります。
風早の告白前編です。
★これまでのお話★【COLOR#1】 PROLOGUE side SHOTA ━ episode.[
1]
【COLOR#2】 PROLOGUE side SAWAKO ━ episode.[
2]
【COLOR#3】 BLUE meet WHITE ━ episode.[
3]
【COLOR#4】 maison blanc ━ episode.[
4][
5]
【COLOR#5】 BLUE -SHOTA- ━ episode.[
6][
7][
8]
【COLOR#6】 your eyes ━ episode.[
9][
10][
11][
12]
【COLOR#7】 crossover ━ episode.[
13][
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16][
17][
18]
【COLOR#8】 key ━ episode.[
19][
20][
21]
★今までのあらすじ★高校時代、3年間同じクラスにならなかった風早と爽子は
入学式の出会いから10年後、クリスマス・イブの夜再会を果たす。
更に、風早が引っ越してきた「メゾン・ブランセ」の5号室には、
隣人の爽子の部屋・4号室と繋がる扉が隠されていた。
二人はお互いの「すき」の意味を勘違いし、すれ違いカップルが成立してしまう。
しかし、風早が爽子にキスをしたことがきっかけで、
風早は爽子が自分を「友達」と思っていた事にようやく気付いた。
爽子に伝わっていなかった想いを風早はちゃんと伝えたいと決心し・・・
*「BLUE or WHITE?」キャラクター相関図 → 【
BoW? CHART】
それではどうぞ!
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BLUE or WHITE? −episode.22−
key #4―1月24日 10:00
日曜の朝。
爽子と再会してからちょうど1ヶ月となるこの日。
風早はある心を決めて、
4号室に繋がる扉の前に立っている。
“トントンッ…”――
「爽子…?」
(あっ……)
4号室のキッチンで洗い物をしていた爽子は、
ノックの音と風早の声に気付き、足早に扉の前に向かった。
「今、ちょっといい?」
「あ、はい…!」
風早は5号室側の鍵を開け、爽子が4号室側の鍵を開けるのを待つ。
両側の鍵が開き、爽子がその扉を開けると
4日ぶりに見る風早の姿がそこにあった・・・
「ははっ、なんか久しぶりだな。」
「…うん…。あ!あの…、どうぞ中に…」
爽子は少し緊張した顔つきで4号室に風早を招こうとするが、
風早はそれを遮った。
「いいよ。ここでいいから…」
「……?」
爽子は風早の正面に立ち、彼の顔を伺う。
すると風早は真剣な表情で爽子をまっすぐ見つめた・・・
「爽子に伝えたいことがあるんだ……。」
ドクン・・・――
爽子は大きく目を開いた。
その瞳に、その声に、胸がどくんと呼応する。
風早は爽子から視線を離さないまま、
言葉を続けていった。
「俺、今まで爽子のこと 友達と思ったことなんて一度もないよ…」
「えっ……」
「1ヶ月前、あの公園で会った時から今まで…一度もない。」
「…………」
その言葉が爽子の心に
ずしりと重たく刻まれた。
(やっぱり… そうだったんだ…)
ぎりぎりと痛む胸を抑え、瞼をぎゅと瞑る。
風早は俯いてしまった爽子を見ながら、
彼女がその言葉の意味を誤解していることを察知し、
次の言葉を選んだ。
「ずっと… 『特別』だったんだ。」
(――・・・?)
風早から優しい声色でその言葉が放たれた。
「爽子…」
爽子は顔をゆっくりと上げる。
二人の視線が重なる。
風早は目の前に感じる彼女への想いを乗せて
はっきりと言葉を紡いだ・・・
「すきだよ。」
* * * * *
“すきだよ”――・・・
彼から聞こえたその言葉。
彼の真っ直ぐな瞳。
そして、全てを包み込むような彼の優しい表情・・・
私の心臓は
意識とは違うところで勝手に騒ぎ出す。
ちがう・・・。
そういう意味じゃないの
「こんなに誰かを好きになったの、初めてなんだ…」
胸が苦しい
喉が熱い
心が震える・・・
「爽子が教えてくれたんだ。人を本気ですきになる気持ち…」
なんでだろう・・・
その言葉の意味を考えるよりも早く
私の鼓動は無意識に速くなる
溢れそうな何かが止まらない速度で体中をかけめぐる
胸に 何度も押し寄せる波・・・
「…なんで…、泣くの?」
「……っ」
翔太くんに言われて気付いた。
私の目からは涙が溢れ出ていた。
止められないの
あなたがくれる言葉の意味を
私の体は勝手に都合の良い解釈をしてしまう
「だめ… そんなふうに言ったら……」
「…爽子?」
「期待してしまうから… だめ…っ」
「爽子」
「…!」
翔太くんは私の両肩を掴んだ。
肩にかかる強い力
見上げたそばに感じる彼の強い視線
「逃げないで、ちゃんと受け止めて。」
「……っ」
「応えてくれなくてもいい。ただ…知ってて欲しいんだ…。」
目が逸らせない
逸らすことを許さないような 彼の熱い眼差し
“知ってて欲しい”・・・
私・・・
あなたのことが知りたかった
あなたのようになりたくて
あなたに焦がれて・・・
でも 私が一番知りたかったのは ――
「俺は爽子がすき。これが…本当の、俺の気持ちだから。」
この気持ちだったんだ・・・――
“憶えてる。あの日…俺が道に迷ってた時、黒沼さん助けてくれたでしょ?”
嬉しかったの・・・
私が大切にしてたあの思い出を
あなたが憶えていてくれたことが
ずっと別世界の人だと思っていたあなたが
私と同じ思い出を持っていてくれたことが
“誕生日おめでとう。”
欲しかったの・・・
あなたの惜しみない優しさも
あなたの真っ直ぐな瞳も
あなたの本当の笑顔も
あなたの素顔も
その全てを傍に感じることができたら
どんなに幸せなんだろうって
ずっと
ずっと
心のどこかで望んでた ・・・――
「ずっと…、俺が届けたかった気持ちだから…」
・・・ 届いてたよ。
あなたはいつも
100%の気持ちを私に届けてくれていた。
あなたの気持ちを感じれば感じるほど
私の中で鍵をかけていた
”あの感情”が溢れそうになって
どうしようもないくらいに
胸が苦しくなって
そう・・・
私が鍵をかけていたのは
この感情なんだ
『恋』という名の
幸せに満ちた感情 ・・・――
〜つづく〜
* * * * *
★あとがき
爽子の心の鍵をやっと開けることができました。
思ったより長くなってしまったので、
Key編のラストは次に持ち越します^^;
そうそう。全然関係ないんですけどね。
まるで計算されたかのように、今回の告白編の日付設定が
二人の出会い(12/24)のちょうど1ヶ月後になってるんですけどね。
・・・これ偶然なんです。(・∀・;)
いつもこの小説日付をあえてトップに書いてますが、
曜日は意識して書いてるものの、特に意味なく日付を入れてたんで
うまいこと1ヶ月後に今回の話が来て自分がびっくりしてます(笑)
つーか1ヶ月の間にいろいろありすぎだろこの二人w
次はもう書きあがってるので、
後ですぐアップします。
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*続きをアップしました!→[
episode.23]
by.桜
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